ピザボーイ 史上最凶のご注文

コメディ映画とのこと

映画を見ているとこんなこと現実にないだろうなぁと、そんな風に思う時がある。実際その通りだ、フィクションの中で語られている内容は脚本家による空想や発想の転換、その集大成だ。集合体としてより固められたその作品性を面白おかしくするため、さらなるアレンジが施されていくものです。ただその方向性が愉快痛快極まる作品であったり、残虐性極まったセンセーショナルな作品だったりするかは色々だ。そうして映像作品が作られていくと思えば、制作側の苦労を徒労だと罵る人の気持ちが正直痛々しい。ならば自分で作ってみせろ、そう言われて出来る人が何人いるか見ものだ。

日本の映画もそうだが、アメリカの映画は特に表現方法が痛烈な時がある。逆にやり過ぎではないのかと思うのは日本人的な考え方なのだが、現地の人にすればそれが普通だと感じる。文化の差といったところだが、その点を面白いと感じる事が出来なければ映画の醍醐味は見えてこないのかもしれません。

今回はそんなアメリカ映画の1つ、ちょっとマイナーで知っている人がどれほどいるかと正直不安にもなる『ピザボーイ 史上最凶のご注文』という作品を紹介していこう。こちらの作品、基本最初から最後までシリアスとは無縁の、コメディ映画作品といえる。それ以外に思いつくものといえば、ある意味人間というものは堕ちるところまで堕ちれば何をしても許される、などと滑稽な思考をするようになるのだと、そう考えさせられる作品といったところだ。

批判から入っているように思われるが、この作品の見所といえばそういう点なのだから仕方がないのかもしれない。褒めようとしても主人公たちに共感できる、なんていったら危ない思考を持っていると思われなかねない作品だ。

作品概要

こちらの作品は2011年にアメリカで公開された映画で、日本にも上陸している。この年は東日本大震災もあったが、映画が来たのは年末頃となっているので時期的に見ればまだ許せるところだ。直後だったりしたら映画そのものにも打撃を与えかねなかったので、公開や日本初登場の時期はそれほど悪くはなかったと言えるでしょう。作品の内容からしても、もし公開初日が直後だったりしたら非常識すぎると世間から非難轟々だったのは目に見えている結末だ。

そんなことになりはしなかったが、やはり2011年は日本的にあまりおおっぴらに笑って過ごすといった感じではなかったため、タイミングの悪さは否めないでしょう。それもそのはず、リアルに被災地ではこのピザボーイのような出来事が起こっていたかもしれないと、そう言える内容で描かれているからだ。

まずは簡単にあらすじから紹介していこう。

あらすじ

主人公のニックはピザのデリバリー配達を担当している店員だが、いつも決まって30分という配達時間を守ることが出来なかった。そんな彼には似た者同士な友人であるチェットという少年がいて、共に怠惰な日々を過ごしていた。ソリが合う2人はいつも一緒にいたが、ある時ニックがチェットの双子の妹と付き合っており、しかも一夜を共にしていた事実が判明します。妹を溺愛していたチェットは発狂しますが、実はチェットのせいでニックの両親が離婚するという事態に発展することがこの時に明らかとなった。それぞれがそれぞれの不幸を呼び寄せたといって2人は絶縁宣言、共に友人としての関係を終了させるという事態になってしまう。

一方、昔からの友人でやはりだらしのない生活を送っていたドウェインとトラヴィス、2人の若者がいました。この2人も大概ろくでなしでしたが、ある時ドウェインの父親が宝くじで大金に当選する。当然のようにドウェインは父に分前を求めるが、譲る気はないという頑なに時分に金を渡さないことに腹を立てます。関係ないはずのトラヴィスも同時に怒りを覚えると、2人は良からぬことを考え始めた。それは父親を殺して、金を奪ってしまおうという策だった。

ですが2人は自分たちの手は汚したくないとして殺し屋を雇おうとする。しかし殺し屋を雇うにしても依頼料が掛かり、その額は簡単に払えるものではなかった。どうするべきかと考えていると、テレビを見ていてすぐに来られそうな他人を捕まえて脅し、銀行強盗をさせればいいんだと思いつく。その時のCMがピザ配達、運の悪いことに彼らの注文を聞いてやってきたのはニックだった。

そうとも知らずにニックはいつもどおり遅刻して届け先を尋ねると、変装したドウェインとトラヴィスに拉致されて銀行強盗をして金を持って来いと要求する。逃げ出さないようにとニックの身体には時限式で、遠隔操作によって手動で爆発させることも出来る爆弾を取り付けた。どうしてこうなったと嘆くニック、進退窮まった彼が求めたのは縁を切ったはずのチェットに助けを求めることだったのです。

突如として巻き込まれてしまったチェットもまた、なし崩し的に銀行強盗の企てに参加させられる羽目になってしまい、ニックとチェットという即席すぎて危うすぎる銀行強盗コンビが誕生した。果たして2人は無事、銀行強盗を成功することが出来るのか、そしてニックは爆弾の脅威から逃げられるのか。

映画そのものの評価について

公開当初、こちらの作品に対する評価は率直に言ってしまえば、あまり良き感想は出揃っていません。内容があまりに突拍子がないのもそうだが、観ていると色々と人間のダメな部分がこれでもかと浮かび上がってくるので、共感する以前の問題だったりする。ここまで来ると人間のダメさ加減がコメディになるのかと思わせる作品ですが、参考にする以前に風刺と言える作品なのかと疑問符が立ちそうな内容であることは言うまでもないでしょう。

面白いかといえば

こちらの作品、フィクションだからと割り切れば面白い作品といえば面白いといえるでしょう。こういったベタ過ぎるろくでなしが主人公として活躍する作品もまた、アメリカ映画ならではといえます。ただピザボーイに関して言うなら、現代的にやり過ぎて地味にリアル過ぎて、本当に何処かであったかもしれないと感じさせる内容なのが笑えない部分でもある。それこそ主人公である2人と、彼らを脅して殺し屋を雇って、大金を手に入れようとする2人という4人の構図がありそうで怖い。

やっぱりフィクションが好き